進化を忘れた人間は,このまま朽ち果てるだけなのか。後ろ姿だけが,夕闇に沈んでいく。だが,彼に未知の能力を与えられる場所がある。ワイヤード。次の進化の,唯一の在り処は,ここに。
毎年恒例の討論会「次の20年」会議に,今年も4人の未来学者が集まった。その議論。コンピューティングの時代はまだ石器時代だ。シリコンチップの限界を乗り越え,電子の限界が制限する時代となる。我々には,そんなパラダイムシフトの中で正気を保つ困難が待受けている。
20年後を想像できるだろうか。「次の20年」会議では,その20年後の風景がいくつか出されたが(WIRED NEWSの記事),ど〜も,どれもこれもつまらない。型にはまった未来,しか提出されない。思いもしない,天地がひっくり返るほどの事象が出されず,「現在の延長」でしかない未来の話は,それほど面白くはない。未来や,いずこ?
そんな決まり切った未来など,未来たる資格なし。今の1万倍も能力を持つパソコンに,私たちはなにを持ちえるのか? そこにある閉塞感は,記事にもあるように,進化の度合いを止めた人間という生物の無能さをさらけ出すだけなのだ。1日1分1秒ごとに進化するテクノロジーの中で,歩みをとめている人間。今後,少しずつ,現れてくる,新しい人間の病理の要因は,それだ。そして,その病理に対するワクチンがもしあるとしたら,それは,ワイヤードにしか,ない。
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